忙 し す ぎ る
重要度 | |
新人営業マン向け | |
難しさ |
この記事はこのようなお悩みがある方におすすめです!
忙しいのはいいこと。…とは限らんよな
新人の退職理由上位の問題にワシも向き合うぞ!
忙しすぎてつらい。
営業マンとして仕事をしていると、こんな風に思うことがあると思います。
なぜつらいのか?というと、『千客万来でお客様に愛されすぎてつらい』わけではない。主に、労働環境が主因。
休日や早朝深夜だろうと顧客対応をする必要があったり、溜まった事務作業やプレゼン資料作りによる長時間労働。そして、入れ替わりが激しいがゆえの慢性的な人手不足。結果として自分が負担する時間もまた増える…といった悪循環に起因する問題です。
本記事ではこの『忙しすぎる』を理由に退職を考えている方に向けて、決断の前に「一歩踏みとどまる」のか、「転職すべきと意思を固める」のかの判断に役立つよう、アドバイスとエールをお送りします。
ガマンだけでは解決できない問題!
自分のスタンスを明確にしよう!
記事前半では『残業と休日出勤について』を。後半では『具体的な対策行動とアドバイス』を解説しています。漠然とした「つらい」を明確化したうえで、あなたの判断の参考になれば幸いです。
なお、先に結論だけ申し上げますと。
これだけ少子化が問題視され『将来の働き手が少なくなる』ことが見通せていて、かつ不法な長時間労働などが告発されて問題化しやすくなっているこの令和の時代。
労働環境の改善に着手するそぶりもなく賛同者もない企業であり、あなた自身が不利益を被っているのであれば、転職を優先でお勧めします。
上記の私見も踏まえて、読み進めてみて下さい。
残業と休日出勤について
主に負担となるのは『残業』と『休日出勤』かと思われます。
「物理的な仕事量が多すぎる」「人員不足」に悩んでいる方も、それを処理するために残業と休日出勤に帰結するので問題の性質は根っこが同じです。
しかしながら「残業=悪」ではありません。納得できるか否かにかかわらず、です。
退職や転職には慎重な判断を要しますから、どういうものであるかまずその背景をひも解いてみましょう。
まずは冷静に。残業は違法とは限らない
入社前に聞いてた話と違う!
ブラックだ!
…と思い悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
営業職である場合、『商談が長引く』ことで所定の労働時間を超えることは容易に想像できます。
自分からアポイントをとって先方企業へ訪問しておいて、「時間なんで。帰ります」とか。もう一押しで決まりそうな商談中に、「閉店時間なんで。お帰り下さい。ガラガラピシャン」とはできませんよね。
また、俗にいう繁忙期。普段よりも多くの商談や業務を抱える時期には、平月と比べて人手も時間も多く必要になることは企業側もわかっています。
なので、企業側もはじめから労働基準法の範囲内で、必要に応じて残業や休日出勤を命じることができる『就業規則』を定めているのが普通です。
就業規則に残業や休日出勤が明記されていてその範囲内の要請であれば、原則として「拒否はできず」「違法ではない」のです。
1日の労働時間は8時間まで…のはずなのに。
営業職ではないものの、ホテルなどで仮眠込みで25時間就労シフトなどが存在するのは、その業態に合わせた就業規則で運用することが認められているからです。
『36協定』や『みなし残業』など、事業を円滑におこなうために法律に則った補足措置があることを認識しておきましょう。
とはいえ…
拡大解釈しすぎてることがあるのが問題なんだよな。
残業=正と考える人がいる
決まりがあることはわかった!
でも、
ウチはそれ以上に残業してるような…?
残業や休日出勤に対する考え方は、人それぞれです。
前述のとおり残業そのものが「悪」ではないですが、会社からの必要性に準じた残業命令という大義もないのに、残業すること自体を「正」とする風潮も偏っていると私は思います。
残業要請はないけど残業することが『普通(または、正しい)』と考える人には、こんな主張があります。
- 残業代を稼ぎたい(残業代がないと生活が成り立たないも含む)
- 上司や同僚よりも先に帰ることがマナー違反・気まずい
- 仕事が終わってないから仕方なく
- やる気がないと思われて評価に影響することを懸念
- 誰よりも頑張って優秀な成績を収め、はやく出世したい
考え方は様々、と言いつつも、おおむね上記に似た内容であろうかと思います。
こうしてみると…
ちゃんとした理由と言うより
「私はこうしたい!」の主張が色濃いな?
対して…残業することを好ましく思わない側の意見は。
- プライベートを充実させたい(育児・介護などの不可欠要素も含む)
- 過度な労働で健康を損ないたくない
- 仕事量を時間ではなく効率でカバーしたい
- 雑談などの無駄時間をなくしたい
- 規定を超える違法な残業をすることに加担したくない
うむむ…
個人の主張ともいえる感じだが
こちらはもう少し発展的な解釈なのか…?
どちらが正しいのか?
残業する・しない。
どちらが正しいかは断定できません。
唯一、法を超えた残業の「強制が違法」であるのみです。
「残業してでも、早く知識や技術を身につけて出世して、将来もっと大きな仕事ができる人間になりたい!」
そう公言して仕事に打ち込む人。これは、「悪」でしょうか?
一部の会社や上長にとっては、『好ましい人材』であり「正」と映るでしょう。
他方、なんとかして残業を撲滅し業務を効率化しようと奮起する会社や上長にとっては、『残業してでも』は望ましくないワードであり、社の方針に背く「悪」と映るかもしれません。
要は…絶対的な善悪ではなく、「誰にとって」で結論が変わることがあり、
あなたは、『残業してでも成長と成果を』を望ましいとする(正とする)環境にいるのかどうか。
そして、あなたの考えはそれに合っている(合わせることができる)のかどうか。
これがかみ合わない場合に、「あなたにとって」その会社の考え方は悪となり、「その会社にとって」あなたの考え方は好ましくない、となるのですね。
俗に…ミスマッチというやつだな。
無論、法や就業規則を侵していないことが前提となりますが。
いまの環境に対し、あなたの考えはどんなスタンスであるのか。この機会に一度明確にしてみて下さい。
では、どうすればいいのか?
あなたの考えと環境を振り返って、ミスマッチの状態であり、かつ順応が難しいのであれば、転職がもっとも効率のいい解消方法となるかと思います。
個人の力で風土を変えるには、
風潮を受け入れるよりはるかに膨大な
時間とエネルギーが必要だからですね。
実際、来たる少子化の未来に向けていかに無駄をなくし、少ない人数で効率的に運用するための取り組みをおこなっている企業もどんどん増えています。
記事冒頭で申し上げたとおり、こうした取り組みをしていないのであれば、その時点で正直アウト。
穿った見かたをすれば…見えている問題に対策を講じず、または問題の大きさを見誤っており、かつその負担を社員に負わせマンパワーに頼っている、という風にも疑ってしまいます。
なお会社として取り組もうとしているのだが、末端まで浸透しておらず直属の上長は残業推進派である、というケースもあると思います。
仕事自体に問題はなくやりがいを感じることもある。収入も多くはないけど妥当。同僚もいい人が多い。
…そう思いつつも、残業またはそれを管理すべき上長に悩みの発端があるなら、行動を起こしたうえで残留を検討なさっていいと思います。
個人でどんな行動を起こせるものか?を
後半で解説していくぞ。
具体的な対策行動とアドバイス
ここからは、どういうスタンスで残業という問題を乗り越えるのかを、具体的に紹介していきます。
大きく3つ。端的に
- 受け入れる
- 残業しない
- 退職(転職)する です。
受け入れる
違法なレベルの残業を強制されていないことが前提です。
たびたび残業や休日出勤が発生していて不満を感じつつも。
社内で協調性をだいじにしたい。変に上司に睨まれて出世を遠のかせたくない。転職したいほど行きたい会社があるわけではない…など、不満は解消したいが現職を続ける方向で検討したい方。
『現状維持』のスタンスです。
当然、社内の人間関係などに不和は生じにくく、「遅くまで頑張ってくれている人」としての評価ものちのち付いてくることでしょう。
最終的に多くの方がこの選択を取っているように思います。
そうはいっても不満は残ります。だから対策として…
- ストレス解消(ガス抜き)方法を見つけましょう。
- 「毎日残業」ではなく、メリハリをつけましょう。
- 業務スキルを上げることに集中し、効率化を目指しましょう。
なにを当然な…と思わんでくれな。
「つらいけど頑張る」は王道の乗り越え方だぞ!
そもそも『自分が作った会社』でない以上は、すべてが自分の思い通りにいくわけではないので。
一定の忍耐が必要な場面もありますし、その忍耐があとで役立つことだってあります。
ガス抜き・メリハリ・効率化。これらを意識して実践したうえで、「残業」はなくならなくても「残業が悩み」ではなくなることを目指してみることが、ひとつめの対策です。
残業しない
残業にも種類があり。
上長から指示・要請命令あっての要請残業ということではなく、「ダラダラ残る」「先に帰るのが気まずい」などの必要性に準じない残業に悩む方。
現職には居続けつつも『現状打破』のスタンスです。
自らの当日のタスクを完璧に終えて
どう見られようと何を言われようと
帰る。
業務上必要な残業を申し付けられている場合は、就業規則に則って拒否できません。ご注意を。
気まずかろうが、「え?今日なにか用事があるの?」と聞かれようが帰る。
目指すゴールは、職場の雰囲気が『あの人いつも定時で帰るんだよね。ま、仕事はきっちり終えてるしなぁ』にいきつくこと。
『会社としては残業削減に取り組んでいる』という方針があるなら本来は誰も何も言えないはず。
またダラダラ残業が多い職場では、あなたと同じように無駄残業に不満を持つ同僚もいるでしょうから、孤独に突き進むよりも一緒に取り組める人がいればなお良し。
上長が残業削減の推進派なのであれば、上長から率先して帰ってもらうようお願いする。後始末は『時間内で』自分たちがやることを約束として。
過去私にも経験がありますが、ミーティングの議題に上げようがタイムスケジュールを組もうが、慢性的に残業体質となっている職場では『実行に移す』以外で解消のめどはまず立ちません。
朝礼では「やることやって早く上がりましょう!」などと言っていても、なんだかんだ帰れてないんですよね。
この『なんだかんだ』を、ばっさり切るのはいつ・誰が?というだけの問題です。
だいじなポイントは
「当日中にしなければならないタスクを完璧に終える」ですよ!
そうだな。未完了・雑・他人に押し付け
これでは只のわがままって見られてしまうからな。
なお、上記を実行するにあたっては「あいつは空気が読めない」など不評を買う可能性はあります。決まり事の上では問題なくとも、上長や同僚の感情面で、です。
ふたつめの対策は、行動としては『完璧に終えて、毎日定時で帰る』を繰り返すだけですが、他人の嫌味などに対するメンタルの強さと、時間内にタスクを終える業務能力を要します。
でも、誰かが始めなければ変わりませんので。
退職を考えるほど悩んでいるのであれば、覚悟を決めて取り組んでみて下さい。
場合によっては…「残業しない職場を作った」功労者となるかもしれませんよ!
退職・転職する
不法な強制残業。
および、残業を「正」とする風潮が強すぎて自身内面での消化と行動でも解消が図れず、かつそれを理由として『不利益とみられる立場』で悩まれている方。
『ミスマッチ』のスタンスです。
冒頭のとおり、
退職&転職が最短の解消手段と思います。
「不法」であるかは、最低限ご自身の会社の就業規則を確認しておきましょう。
同じく、残業時間そのものは適法範囲内でも対価が適正に支払われなかったり、残業に対する価値観が嫌気されたことを理由に孤立的立場になるなども不利益とみなします。
さいごの手段ではありますが、この対策を選択する場合のポイントは『静かに・速やかに』です。
私もいい歳ですが、20代などの「若手」と呼ばれる時間が過ぎるのは早いです。貴重な「若手」時間を無駄にしないよう、決めたなら迅速に行動に移しましょう。
こちらでも本カテゴリの冒頭記事【始めに読む話】で紹介した転職エージェントと退職代行を再掲しておきます。
踏ん切りがついたなら、登録するだけでも事態は動くもの。
求人情報などを見ながら、改めて『転職活動に踏み出すこと』と『居続ける負担』を天秤にかけて、「やっぱり今の会社のまま頑張るか」と思うならそれもアリ。「受け入れる」対策に戻ればいいだけです。
『転職しない転職活動』については以下の記事内で解説していますので、納得がいくまで読み返してみて下さい。
さいごに
ここまでお読みいただきありがとうございました。今回は、【忙しすぎる】を主題として、私自身の経験を交えて『残業を中心に考え方や解消方法』について述べさせていただきました。
しかしながら、私も含めあなたの周りの人たちは、「こういうこともできるよ」と助言をすることはできても、最終的に決めて動くのはほかならぬあなた自身です。
職場の悩みのなかには、「我慢する」「耐える」ことがある程度必要な問題は多々あります。
しかし私が思うに、残業をはじめとする『長時間労働』に限ってだけは、「順法・健康・収入・社会の風潮」などにダイレクトに影響する問題であるため、安易に「ちょっとくらいの残業、ガマンしろよ」と言っていいものではなくなってきたように感じています。
この問題に直面している主役はあなた自身。この記事を読んで、あなたの心が軽くなったり、解消のきっかけとして少しでもお役に立てましたら幸いです。
「普通」に仕事するって案外難しいですよね。
自分の人生に責任をとるのは自分。
いい未来に向けた一歩を、覚悟をもって踏み出しましょう!
ほかにも悩みごとの記事を掲載しているからな!
気になるものは目を通してみてくれよ!
営業辞めたい…と思っている
長時間・休日出勤当たり前の環境がつらい
労働環境を良くする方法があれば知りたい