ヒアリング
重要度 | |
新人営業マン向け | |
難しさ |
この記事はこのようなお悩みがある方におすすめです!
マナブです!こんにちは!
僕もようやくご商談に入れるようになったのでワクワクしてます!
営業現場でのヒアリングは極めて重要です。
お客様の意図を汲み取れなければ、提案も成約も結び付けられないからですね。
数ある営業行動のなかでも、とりわけヒアリングに関する書籍や記事は多く、もはや何がだいじなのかわからなくなっている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、「新人営業マンが」押さえるべきヒアリングのポイントとそのための傾聴姿勢について、優先度重視で解説していきます!
ヒアリング力向上のコツは
「聞くべき内容を絞る」&「傾聴姿勢」!
記事前半では『ヒアリングと傾聴姿勢の関係と重要性』を。後半では『ヒアリング力を上げるコツ』を具体的に紹介しています。今日からでも使える内容になっているので、ぜひご自身のスキルアップに役立てて下さいね!
ヒアリングと傾聴
どちらも相手の話を聞くことに関するワードです。
両者は、定義・解釈の違いのほか使い方や伸ばし方も異なるものと考えて差し支えないです。
まずはなにが違うのか?と
ご商談の場でどう活かすことができるか?を解説していきます。
ヒアリングと傾聴の違い
ヒアリング
まずヒアリングは、端的にいうと「必要な事実・情報を収集すること」です。
営業現場においては、自社商品をすすめるにあたって家族構成や予算など様々な情報が必要ですよね。
クルマ屋さんでいうと…
ご夫婦・お子さん2人・ご両親2人で6人のご家族だから…
おすすめするクルマはミニバンがいいのかな? って感じですかね?
はい。家族構成という事実がわかると、
6名以上乗れるクルマが必要なのか、
4~5名の通常のクルマを2台持つのか に話が進みますよね。
つまり…「ヒアリング力を上げる」に必要なのは、自社商品を提案するにあたって『なにを聞いてこなければいけないのか?』を明確にすること。
そして、ポイントとなる情報の『精度と確度を高めること』が重要です。
あー… ミニバンといっても、
ペーパードライバーの奥様がメインで運転するというなら
あんまり大きなサイズのクルマは勧めにくいってことになりますよね!
傾聴
対して傾聴は、「共感し理解することを通して、感情や欲求を汲み取ること」です。
あえて言い換えますと、『本音を引き出す能力』と言ってもいいかもしれません。
なるほど…
さっきのお客様と話し込んでたら、ミニバンは形が好きじゃなくて…
ランクルみたいなSUVがいいって仰ってました!
冒頭と、提案するクルマが変わってきてますよね。
聞く人や聞き方によって勧める商品が変わるのも
営業の醍醐味だと思います。
ヒアリング力に対し「傾聴力を上げる」に必要なのは、自社商品を提案するにあたって「共感・理解を得たうえで本音を引き出す」こと。
また、「事実」がポイントとなるヒアリングに対し、傾聴では「感情」がキーになることも押さえておきましょう。
傾聴姿勢×ヒアリング
営業行動におけるヒアリングは、シンプルに言えば【どんなニーズがあるかを直接相手に聞く行為】ってだけです。
ただここで難しいのが、
商品のご提案に必要なんで教えて下さい!
家族構成は?おいくつですか?ご予算は?どんな用途に使いますか?…
こうなっては、ただの「尋問」ですよね。
また、傾聴を意識するあまり「共感」に寄りすぎても
アルファードご希望ですか!広くていいですよね!あっセレナもいいかもですね!
運転しやすいサイズですし!SUVがいい?そうですね~かっこいいですもんね!…
こうなると、いわゆる「御用聞き」
もっと悪くすると「ただ話を聞いただけ」になってしまいます。
ではどうしたらいいのかというと、『聞くべき特定の情報や事実』を整理して準備しておき、傾聴姿勢で共感を得つつヒアリングすること。
まだピンときていないかもしれませんが大丈夫です。
以降の記事後半で、「じゃあ、一体何をどうしたらいいんだ?」の詳細をお伝えしていきます。
ヒアリング力を上げるコツを紹介します
ここからは具体的な上達のコツを解説していきます。
冒頭のとおり、手法・話法・テクニックは世の中本当にたくさんあります。
本記事ではそのなかでも、新人営業マンが「最低限これだけ知って守っていれば成果に結び付けられる」ポイントとコツを、ヒアリング・傾聴姿勢でそれぞれ1つずつだけご紹介します。
ひとつずつなら… 僕でも覚えられるかも…
1つのスキルでも磨き上げたら強いんです!
ちゃんと身についたら、ほかの技法も探してみて下さいね!
ヒアリング 聞くべき情報は?
どんな業種の営業マンであってもヒアリングして押さえなければならないのは、
【 予算(Budget)・決定権(Authority)・商品(Needs)・時期(Timeframe) 】
それぞれの英字頭文字をとってBANT条件と称される情報です。
文献によっては、ここに競合(Competitor)を加えてBANTCとしていることもあります。
私自身は、この英語表記に馴染みがなかったので…
モノ・カネ・時期・決定権 で覚えました!
僕もそっちのほうが覚えやすい…です…
まず、商談のなかでこの4要素(5要素)を聞き出すことに全力を傾けましょう。そして、その精度と確度を高めることも意識して下さい。
この4要素さえ精度高く情報を得られるように意識すれば、ヒアリング力はぐんと上がります!
それぞれ順に詳しくみていきましょう。
予算・支払(Budget)
いくらくらいを想定しているのか?
予算を聞かない営業マンはいないと思いますが、それだけではありません。
現金一括であるか、ローンやクレジットを使う予定なのか。法人であれば決済や請求方法は。
クレジット契約を想定しているのであれば事前審査が必要になりますから、商談時間に余裕をもって行動しなければなりません。法人顧客を相手にした決済についても、相手方の支払日や基準が自社のルールに沿っているかを確認して合わせていく必要が出てきます。
また、「予算200万円」という情報をもらえたとしても
その精度を高めることも重要です。
もうワンランク上級の商品のほうが気に入って250万円の購入契約をするケースや、見栄もあって上限めいっぱいで伝えてきているケースもあるためですね。
予算200万円と言うから、200万円の商品をたくさん紹介するけど全然響かない…なんていう事態のときは、ヒアリングの精度が低いんだと自省して見直しを図りましょう。
決定権(Authority)
いま目の前にいるその人が、「よし買うよ」と言えるのかどうか?
ご家族連れのお客様で、ご主人とお子さんしか来店していない場合は「奥様が決定権者かも」と想定する必要があります。また法人営業の場合には、商談自体は担当者とおこなうものの、社長決裁やその場にいない上席の判断を要する場合が多々あるでしょう。
決定権者の見誤りは致命的です。
とりわけ精度高くヒアリングするようにしましょうね!
こんな失敗事例も。
- 独身・35歳・男性・会社員 → 実は婚約者がいました!(彼女さんが準・決定権)
- 40代ご夫婦で来店・予算モノもOK! → 子供が使うので!(お子さんが準・決定権)
- 40代ご夫婦で来店・予算モノもOK! → 親がお金出すので!(親御さんが決定権者)
額面が大きくなればなるほど、周囲の方に確認や承諾を得なければならないケースがついて回ります。
先入観に捉われず、確認すべきはしっかりと聞くようにしましょう。
商品・ニーズ(Needs)
商品やプランが、そもそもお客様の希望を満たしているか?
お客様の需要を満たせない商品であれば、購入に至ることはありませんよね。
相手が抱えている課題やニーズを明確に把握する。そのうえで、自社商品がその課題をどのように解決できるかをプレゼンする場へと進んでいきます。
お客様のニーズの出どころは人それぞれですけど。
「欲求」からくるニーズと
「必要性」からくるニーズに大別することができます。
たとえば、財布。 おもに現金やカード類などを収納する入れ物。
用途を満たすだけなら100円均一の商品で事足ります。
でも…なぜ多くの人がルイ・ヴィトンの財布を持とうとするのでしょうか。
伝統・デザイン性・耐久性… 根拠はいくつも挙げることができますが、
シンプルに「欲しい!という欲求」が最も本音に近いですよね。
クルマ屋さんの場合は、「かっこいい!ひとめぼれ!めっちゃ欲しい!」という欲求が軸のお客様と、「単身赴任で足替わりのクルマが必要!家族が増えるので多人数のクルマが必要!」という必要性が軸のお客様が混在します。
逆に、法人営業の場合は「欲しいから買う」事態にはまず遭遇しません。
ご自身の業種や商品の特性をしっかりと学んで、目の前のお客様がどんなニーズを抱えているのか?を適切に把握し提案に結びつけましょう。
時期(Timeframe)
いつその商品が必要となるのか? および いつ購入決定するのか?
購入時期(導入時期)も非常に重要な要素です。
そのあとのアプローチの仕方が大きく変わります。
ヒアリングの早い段階から把握できるように意識しましょう。
基本的には、現在すでに必要である状況下のお客様に対しては、スピード感を持って最優先で商談を進めるべきです。
即決を狙いにいくってことですね!
逆に必要時期が遠い場合は、商談の目的が「検討するための情報集め」が主体であることが想定されます。この場合、「今日はどこまで進めるべきか?」や「次のアプローチをいつどのように?」を商談の中で組み立てなければなりません。
このため、時期のヒアリングは早い段階でおこなうのが望ましいです。
ただし。
ここも精度を上げる努力をすべきポイントです。
法人であれ個人であれ、「情報集め」が主体であろうとも、実際の商談の場が設けられていること自体に変わりはありません。簡易的なリサーチのみで購入意欲がゼロである可能性のほうが低いと私は思います。
「めっちゃ値引きしてくれたから買っちゃった」「社内会議にかけたらトントン拍子で話が進んだ」なんてことはざらに起こりえます。
加えて、競合他社とも商談を行っている可能性もありますから、のんびりしていたら普通に負けます。
ぜひ、「あわよくば早めに…と内心で思ってはいないか?」という点にも留意して、精度高く時期のヒアリングをおこなってみて下さい。
競合(Competitor)
自社と競合他社 いったいなにを比較されているのか?
近年では「競合」をヒアリング項目に加えることが多くなってきていますので。とくに競合が多い業種のかたは「自社と他社の優劣」をしっかりと把握する必要があります。
商品や価格だけではありません。
競合他社の規模やブランド力。担当者の対応やアフターケアなど。
お客様がどこに魅力を感じているのかが大切です。
すでに競合他社と商談を済ませている場合は、「良い情報」だけを持っている可能性があります。
対して、営業マンのほうがその業界の情報量は上であるはずです。お客様が得た情報のみでなく、Webや上長の知識の力も借りて、自社を勧められるポイントを見出しましょう。
1点だけ絶対の注意事項です。
他社を貶める発言は厳禁と心得て下さい。
比較でプレゼンをする場合、「自社のほうが優れている」という話し方と、「他社のほうが劣っている」という話し方のどちらにウェイトが傾くかで印象がまるで変わります。
興が乗って担当者の悪口まで出てしまったりすれば、信用を損ないます。
商品力で勝っていながら応対で負けたのでは、本望ではないですよね。充分注意しましょう!
傾聴 本音を引き出すコツは?
前段までで、「なにを聞かなければならないのか?」を先に明確化しました。
BANT(C)条件の4(5)要素です。
それらを、本音を引き出して精度高くヒアリングするための技法を紹介します。
傾聴しましょう!って言うけど…
具体的になにをしたら傾聴になるのかわからないんですよね…
感情に色がついているわけでもないし、ゲーム画面のように「親密度」が数値で見えるわけでもありません。
心の奥底で相手がどう感じているかは完璧に把握できるものではないですけれど、こと商談に必要な情報を深いレベルで話してもらえるか?という点だけは、クリアするためのコツがあります。
ロジャーズ三原則
アメリカの心理学者であるカール・ロジャーズが、カウンセリングにおいて有効であった事例を通して「3つの傾聴要素が必要」と説いたものがロジャーズ三原則です。
3つの傾聴要素とは
- 共感的理解
- 無条件の肯定的関心
- 自己一致
それぞれどういうものかもご説明しますが、
どう商談に活かすのか?を中心に紹介しますね!
共感的理解
相手の話を、相手の立場に立って、相手の気持ちに共感しながら理解しようとする聞き方。
ポイントは、
相手の気持ち(感情)を共感・理解「しようとする」 の部分。
あなたと相手は違う人間ですよね。性格も考え方も当然異なります。
『雨が降っている』という事実に対しても、あなたは「通勤が大変になるから煩わしい」と思うかもですが、相手は「憧れの人と駅で遭遇できるからドキドキする」のかもしれません。
相手の話を「どういう感情であるのか」を意識してよく聞き、理解に努めようということです。
商談中の会話にどう活かすのかというと…
傾聴姿勢で聞いているときは、あいづちに一工夫。
「あっ それは嬉しいですね!」「いらいらしますね!」など
相手の感情を追体験するような表現が有効であるように思います。
反対に「あっ それは私も経験ありますよ!」「私の場合もそうでした!」など
『同意』であったとしても、『あなたの感情』を含めた表現は避けましょう。
「相手の話」の際中なのに、「あなたの話」にすり替わってしまいます。
話の主導権がこっちに移ってしまったら…
せっかく話しかけてた本音が引っ込んじゃいますね!
無条件の肯定的関心
会話の内容について善悪の評価をせず、常に肯定的な関心を示しながら聞く姿勢。
ポイントは、
善悪(好き嫌いも含む)
の評価を一切しない
全面的に「肯定」の姿勢で聞く の部分です。
人は誰しも、肯定され認められると嬉しい生き物です。
「異なる意見のぶつけあいによって、より高みを目指す…」この考え方はビジネスの場において重要であるはずなのに、全面的に肯定と言われて違和感を感じたかもしれませんが。
いまは、「相手の話を聞く」ターンです。
商談の場でどう活かすのかというと…
相手が間違えてても反対意見があったとしても遮らない。
善悪の評価をしない、とは「言葉で反論しない」のみを指すものではないです。
「私だったらこうするのにな~」などを内心で思いながら聞くことも含みます。
正誤好き嫌い問わず、相手がどう考えてどんな理想を目指しているのかを
先入観なく聞きながら、あなたと違う人間の思考と感情を知る ということです。
僕、顔に出やすいので…
安心して話ができるように表情にも気を付けます!
自己一致
聞き手側の理解と、相手の意図を一致させ、会話の内容から相手の真意を把握する態度。
ポイントは、
話し手の意図と自分の理解の一致。
つまり… 食い違いが起こらないようにすること。
あなたと相手は、別の人間です。話し方も考え方も違います。
「ちょっと何を言いたいのかわからないな…」をスルーして会話を進めてしまうと、あとから「コイツ話聞いてなかったな!」と相手に思われてしまうリスクが高まります。
商談にどう活かすのかというと…
前段を踏襲し
「善悪好き嫌いは抜きにして」
不明な点は誠意をもって尋ねましょう。
質問すること自体は悪手ではありません。
「自分の話に興味関心を持ってくれている」と相互理解の進展に一役買う行為です。
「お話の途中で失礼しました!」と一言添えたうえで先を促しつつ会話を進めれば、
相手も「自分の意図を理解してくれている」と安心して話を続けられます。
3つとも相手が安心して話せる姿勢で聞く
ってとこがポイントになるんですね!
さいごに
ここまでお読みいただきありがとうございました。今回は、【ヒアリング】を主題として、私自身の経験を交えて『コツとテクニック』について解説させていただきました。
まとめますと、
- 聞くべきは【 予算・決定権・商品(ニーズ)・時期・競合 】
- 姿勢としては【 共感と理解のため あいづちを工夫・遮らない・わからなければ聞く 】
このくらいシンプルにまとめると、昨日より一歩進んだヒアリングができそうだと思いませんか?
私自身の能力不足かもしれませんが。技法やテクニックが多すぎて、実践で活かせる気がしなかったのが実情でしたため、私と同じく「ヒアリング力を向上させたいのに前に進めなくなっていた方」のお役に立てれば幸いです。
商談という限られた時間のなかで適切にニーズを聞き取ったうえで、真に満足いただける提案ができるように身につけていきましょう!
「聞く」ターンのときは我慢もだいじ!
集中して相手に寄り添いましょう!
ほかにも学んでおくべき基礎をこちらにまとめてます!
一緒に読んでみてください!
ヒアリングが上手にできるコツを教えて!
傾聴とは?ヒアリングと何が違うんですか?
「御用聞き」と言われる。一体どうしたら?