アイスブレイク
重要度 | |
新人営業マン向け | |
難しさ |
この記事はこのようなお悩みがある方におすすめです!
マナブです!こんにちは!
僕も先輩みたいにさらっとアイスブレイクできるようになりたいです!
「アイスブレイクって難しい…」そう思ってこの記事をご覧になっているかと思います。
私自身も人見知りで、過去いろいろ調べたり検索したりしました。
『スポーツの話題でいくといい!』などはよく見かけたのですが、「なにかスポーツされてるんですか?(にこっ)」「あ、いえ、特に…」「……(しーん)」こんなのが繰り返されて普通に病んでました。
超がんばって商品プレゼンはすらすら話せるのに、プレゼンまでたどり着けない日々。つらかったです。
本記事では、お客様への最初のアプローチに悩まなくて済むように私自身の経験を交えて具体事例でのご紹介です。
自分なりのネタをあらかじめ用意しておこう!
記事前半では『アイスブレイクはなぜ必要なのか?』を。後半では『実践的なコツとネタ』をお伝えしています。「コミュニケーションに自信がない…」という方でもすぐに使える内容になっているので、ぜひ最後まで読んで試してみて下さいね!
アイスブレイクとは?
営業現場におけるアイスブレイクとは、『お客様の緊張や警戒心をときほぐし、円滑なコミュニケーションをとれる環境を作る目的でおこなう雑談』です。
相手との張り詰めた空気や状態を「氷(アイス)」にたとえ、それを「打ち砕く(ブレイク)」という意味でアイスブレイクと呼ばれています。
アイスブレイクが必要な理由
アイスブレイクは、商談の冒頭ではとても重要です。
なぜなら、『あなたもお客様もお互いのことをよく知らない』からですね。
ちょっと想像してみて下さい。
人事異動があって今日から別の人があなたの上司になりました。
着任早々に「●●の決済をいただきたいのですが」と声を掛けたとしたら、
その新上司はどんな反応をすると思いますか?
いや…初めて会った人だと…
わかんないです…
ですよね。
「確認しとくよ」と穏やかに言われるかもしれないし、「そのくらい自分で判断しろ!」と怒鳴ってくるかもしれないし。下手を打つと今後の業務にも支障が出てくるかもしれないので、身構えてしまう方も多いでしょう。
同じ会社の人でさえ、初対面であればどんな人柄か少し様子見してしまうものです。
お客様も同じです。あなたの会社の商品やサービスに興味がありつつも、どうしても緊張したり様子見がちになったりしてしまいます。願わくば、「この人なら信用できそう!」「この人になら本音で相談できそう!」と思える営業マンに接してもらいたいとも内心では思っているでしょう。
商談の本題ではお客様が抱えている問題点をヒアリングし、ニーズを把握し、決定に至るまでの本音を引き出していかねばなりません。いかに自社の商品が優れていたとしても、警戒感や緊張状態のままでスムーズに商談を進めていくのは難しいです。
なので、商談冒頭で「話しやすそうだな」と思ってもらうための雑談(≒アイスブレイク)が重要なんです。アイスブレイクを通してお互いの人となりや価値観を少しでも共有すると、対話しやすい環境を作ることができるようになります。
アイスブレイクの活用範囲
アイスブレイクは、一度コツを掴んで習得してしまえば様々な場面で活用できます。
- 人事異動で初めて会った上司・同僚・後輩に対して
- 活発に意見を出しあうことが必要な会議の冒頭で
- 役員などが列席するプレゼンテーションで
合コンでも使えるぜ!
先輩… キモ…
『場の緊張をときほぐし、気軽に話し合える雰囲気を作り出す』これは立派なビジネススキルです。
お客様相手の営業行動に限らず、交流を広げたり社内外の人間関係をよくしたりといった効果もあります。
話題は無限にあるため、「何を話したらいいかわからん」となって頭を抱えているかもしれませんが。のちの人生で必ず良い影響をもたらすスキルですので、今の内にしっかり身につけてしまいましょう!
注意事項を5つ
アイスブレイク活用にあたっての注意ポイントを5つまとめました。逆効果どころかトラブルになりかねないので、これだけはしっかり読んで普段から気をつけましょう!
話題にすべきでないタブー
そもそも話題にすべきでないタブーテーマは、【 政治と宗教 】です。相手から振られた話だとしても、これに関してだけは言及を避けるのが得策です。
相手の意見にわざわざ悪口で返すことはしないでしょうが、「どちらかを上げればもう片方が下がる」という厄介な性質を持っています。変に飛び火したときのダメージも大きい。
仮に相手から意見を求められても
「不勉強なもので…わからないです」と自身を下げて引きましょう。
自分から切り出すべきではないタブー
相手から振られればOK・自ら話すべきでないのは【 相手のプライバシーに踏み込むもの 】です。『結婚や出産・学歴・身体的特徴』などが該当します。
話の流れで自分のことを少し話すぶんには問題はありませんが、「コンプレックス」として捉えている可能性があるため、商品の性質上で必要な場合を除き自分から切り出すことは避けましょう。
不平不満や悪口はタブー
自社他社問わず、不満や悪口は信用を損ないます。
「愚痴」は共感を得やすく盛り上がりやすいものではありますが、お客様を相手に不平不満を口にするのはダメです。また他社の悪口で自社をよく見せる風な会話をする方も見かけますけど、これもやめておきましょう。
その場では瞬間的に盛り上がったとしても、「悪口や不平を言う人」のレッテルは良い印象としては残りません。
時間を意識する
時間のかけすぎに注意しましょう。
アイスブレイクはあくまで『雑談』です。スムーズな商談運びのための準備作業であり、商談におけるメインではないですよね。
「最適な時間」といった基準はないですが、
単純な会話のみでのアイスブレイクなら私は5分以内で充分と思います。
なお、「雑談は時間の無駄。早く本題を」こういった効率重視のお客様は一定数いらっしゃいます。
見極めにはある程度の経験値が必要ですが相手の反応をよく見て、そうだと判断したら即座に本題に切り替えましょう。
「クスっ」と笑ってもらえたら成功の合図
私自身の判断基準です。
初対面の商談の場合、アイスブレイクの役割としてはこれで御の字です。話題に不幸が絡んでいないことが大前提ですが、コツは自分自身が先に笑うこと。つられてクスっとなる程度でも万々歳です。
私は心理学者でもなんでもないですが、『初対面の営業マンと一言二言話して笑ったという事実』は、思いのほか大きい影響をおよぼすと思っています。笑いは笑いを呼びますので…ぜひトライしてみて下さい!
実践!アイスブレイクのネタとコツ
ここからは、「何を話したらいいかわからん」を具体事例で解消していきます。
題材は3つ。慣れないうちは1つだけに絞ってもOKです。
ご自身の業種や環境に合わせてテンプレをひとつ作って、それを繰り返し練習してみましょう。目的は「ファーストタッチから商談の本論にスムーズに進めるため」ですが、相手に心を開いてもらうために、「このわずかなアイスブレイクの時間を楽しんでもらおう」という心構えがとても大切です。
コツと組み立て
この順番を丸暗記で覚えてしまいましょう!
- 挨拶+話題提供
- 実は…から始める自己開示
- 共通点探し
- 共感と深堀り質問
『緊張をとく』には、相手のことを知るのが近道です。そして、営業マンであるあなたから先に自己開示することで、相手が話をしやすい環境をほんの少しだけ先に提供します。
1と2は自分から自分のことを話すパート。3と4は自分から質問を振って相手に話してもらうパート。以降はこの構成をもとに話題に変えていきます。
天気(気候)の話題
いらっしゃいませ!
今日も暑いですね~(1)
そうですね~
実は私、雪国出身で。
着任してこっちに来たのがつい最近なんですけど
身体が寒冷地仕様なのでまだちょっと暑さに慣れないんです(ははっ笑)(2)
あ、そうなんですか?
実は私も東北から出てきてるんで。関東は暑いですよね~
あら!自分秋田ですけど!
差し支えなければどちらからですか?(3)
私は岩手です~
秋田もいいところですよね~
岩手ですか!学生のとき何度か行きました!
なんだか嬉しいですね(ははっ笑)
関東へはご転勤かなにかですか?(4)
ひとしきりキャッチボールしたら、「あ、雑談ばかりすみません。早速ご案内しますね!」などと締めくくって商談のフィールドにお迎えしましょう。
いかがでしょうか。日常の、ごく普通のただの雑談ですよね。でも、私これができなかったんです。最初に「そうですね~」で終わってしまうと(ウ…話が続かない…)となってました。
雪国出身の私を演じる必要はありませんので、ご自身に置き換えてテンプレ化してしまいましょう。例では来場者への声掛けイメージですが、企業や店舗へ訪問するタイプの営業マンだとちょっと勝手が違いますよね。
たとえば…
いらっしゃいませ!
→ 株式会社〇〇の▲▲と申します!
(名刺交換)
~よろしくお願いします!
いや、今日も暑いですね~
着任してこっちに来た
→ 私ずっとこの地域に住んでるんですけど、
温暖化なのか子供のときより
暑く感じてしまって(ははっ笑)
といった感じでしょうか。
ポイントをおさらいしますと…
- 挨拶+話題提供
暑い寒いのほか、「昨日より」涼しい 大雨 などの組み合わせ - 実は…から始める自己開示+自分が先に笑う
出身地を出す場合は県名より東北・九州など広い範囲のほうがイメージが膨らみやすい - 共通点探し+軽い質問
無反応でもどんまい! 相手の反応に興味をもっている、という姿勢がだいじ!
「差し支えなければ」は便利ワード - 共感を言葉と表情に出す+深堀り質問
1つでも共通項をみつけたらすかさず「なんだか嬉しいですね(ははっ笑)」
簡単じゃん!と思っていただければとても嬉しいです。
正直、商談のフィールドに誘導するためだけのアイスブレイクであれば、この1つだけでも1年くらいは頑張れます。ぜひ自分の言葉に置き換えてお試し下さい。
食べ物や飲食店など、近隣の話題
バリエーションのひとつとして、食事の話題も共感を得られやすいのでおススメです。
お待ちしておりました!13時ご予約の▲▲様ですね!
本日のご来場ありがとうございます!
あ、はい よろしくお願いします
お昼すぎのご予約ですけど…
もうお昼ご飯は済まされましたか?(1)
あ、はい 食べてきました
よかったです!
実は私、最近赴任してきたばかりで
お店とかも全然わからなくて(ははっ笑)(2)
ああ~ 最初はそうですよね~
はい!
商談ルームまでの雑談で恐縮ですけど
もし差し支えなければこのあたりで
美味しいお店とか教えていただけませんか?(3)
美味しいお店ですか~
私はいま◆◆っていうラーメン屋さん行ってきましたけど
あ いいですね!
私もラーメン大好きです!嬉しいです!(ははっ笑)
今日の帰りに行ってみますので、後ほど教えて下さい~(4)
現実的には、来場即いきなり食事の話になることは稀ですが。お昼どきだったり飲食街の近くのオフィスに訪問した際などでは「お店を聞いて共感する」だけで使えるネタとなります。
また初対面で食事の話題を出した場合、2回目以降の商談時に「ご紹介いただいたお店行ってきましたよ~」などと感想を添えて話題を持ちかけると共感の幅が広がります。
相手の持ち物や建物など、無機物の話題
少し難易度の高いケースもご紹介します。お客様のマンションへ訪問した際のシーンです。
お邪魔させていただきます。
株式会社ネリカンパニーのマナブです。
本日はよろしくお願いいたします!
はい、よろしくお願いいたします。
いや…ご立派なマンションですね!駅近で…(1)
実は私も、いつかはと思っておりますが
なかなか思い切れず(ははっ笑)(2)
はは、まぁいろいろと苦労もありますけどね~
ああ…なにかとご事情がありますよね!
苦労話もお伺いしたいところですけど、
せっかくご商談にお時間を割いていただいていますので
後ほど時間に余裕があれば駅近の魅力とともにぜひ!(3)
あ、まぁそうですね
はい!
後学のためというと恐縮ですが嬉しいです!(ははっ笑)(4)
それでは早速、弊社のご説明をさせていただきますね!
ポイント1~4の手順は変わりませんが、上記のように無反応が続きそうな場面では切り上げることも考えましょう
とくに、前段で解説した「不平不満」が話題になりそうな場合は、あえて深堀りしないほうが得策です。
また相手をクスっとさせることができていなくても、「商談と関係ない話で微妙な雰囲気」になりそうなところをズバッと話題を切り替えることで、「空気が読める人」として評価が上がる場合もあります。ターニングポイントは自己開示のあとの反応次第。
失礼にならない範囲で、相手の表情をよく見ることが大切です。
もちろん、「いいお住まいですね~」からの「でしょう~?頑張って買ったんですよ~♪」なんて反応が返ってきている場合には、前の例と同様に共通点探し・共感に進んで話を広げていきましょう。
そのほかの鉄板ネタ
アイスブレイクの鉄板ネタとして『木戸に立ちかけし衣食住』をご紹介しておきます。とても有名です。
き:季節や天候
ど:道楽や趣味
に:ニュース
た:旅
ち:テレビ
か:家族
け:健康
し:仕事
衣:衣類
食:食べ物
住:住居
それぞれの頭文字をとった定番の話題集です。
ある程度アイスブレイクの回数をこなして、バリエーションが不足してきたら使ってみましょう。今回の例題もこの中のワードを拾っています。
そして大切なのはどのワードを使うかよりも、ワードごとにどんな会話をするかということ。短い時間の中でふわっと微笑んでもらえるように組み立てることが大事です。
ご紹介した1~4のステップを踏みつつ、あなたなりの鉄板ネタを作って準備しておくと本番で慌てなくて済みますよ!
さいごに
ここまでお読みいただきありがとうございました。今回は、【アイスブレイク】を主題として、私自身の経験を交えてコツとネタについて解説させていただきました。
過去の私と同じく、最初のアプローチ作りに苦労している方に少しでもお役に立てれば幸いです。
なお「テンプレを作って何回も練習する」のは、ロープレで実施するようにして下さい。
回数を重ねることは大切ですが、現実の商談やお客様を実験台にして練習するのはもっての外です。お客様それぞれで反応は異なりますけれど、自分なりに固めた話材で「こうきたらこう返す」練習をしておけば大丈夫です!
ロープレについては以下の記事であたしが解説しています!
あわせて読んでみて下さい!
それでも予想外の反応を示された場合は…素直にお客様から勉強させていただいた、と受け止めましょう。
明日もガッツ出してがんばりましょう!
ほかにも学んでおくべき基礎をこちらにまとめてます!
一緒に読んでみてください!
とりあえず最初の一言が出てこない
アイスブレイクは何を話したらいいの?
そもそもアイスブレイクって本当に必要?