即 決
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この記事はこのようなお悩みがある方におすすめです!
正念場だぞっ!!
わたしみちるがナビゲートします!!
商談で即決。営業マンたるものズバッと決めたいですよね。
ひとつの解答を申し上げるなら、だいじなのは『気合』です。
商談に気合を入れるのは当たり前。そこではなくて、即決を獲得するためのコツやテクニックを【 知り・学び・練習し・実践し・試行錯誤し・改善し続ける 】という道のりの第一歩を踏み出す気合。
本記事では、私自身が営業現場で実践している実例も交えて即決のコツをご紹介していきます。
即決は事前準備と段取りが命!
記事前半では『即決の重要性と概要』を。後半では『即決のための段取りとコツ』を具体的に解説しています。今日からでも取り組める内容になっているので、ぜひご自身のスキルアップに役立てて下さいね!
即決とはなにかを知る
即決。営業マンの花形ですね。
業種によっては日数をかけて商談をおこなう場面もあるとは思いますが、即決が賞賛され、即決することを営業マンに求める企業も多いのではないでしょうか。
半面、新人営業マンにとっては苦手意識があったり、「なぜ即決なのか?」を上手に腹落ちできていなくてなかなか上達しない。そんな側面もあるものと思います。
まずは、即決がどういうものなのか?
考えを整理するところからいきましょう。
即決すると何かいいことがあるのか?
なぜ即決が求められるのか?メリットがあるからですよね。
営業マンサイドのメリットと、お客様側にとってのメリットを分解してひも解いてみましょう。それぞれ3つずつ、です。
営業マンサイド 即決メリット①
なぜ即決か?
ひとつめは『時間効率』です。
クルマ屋さんでは、初回商談の場合ざっくり1~2時間を要します。移動時間があるとか額面の大小などによって業態ごとの差はあるでしょうが、1商談には相応の時間がかかるものですよね。
「検討して来週また来ますわ」こうなった場合、再商談にもう一度時間を割くことになります。
再商談が悪いわけではなく。即決で決めきれた場合、別の商談を生み出す時間を得ることができるということ。
営業活動はある意味で確率です。おなじ1か月という期間であっても、5人と商談した場合と30人と商談した場合では何件成約できたか?の差を大きく左右する重要ファクターとなります。
営業マンサイド 即決メリット②
なぜ即決か?
ふたつめのメリットは『失注リスク回避』
ポイントは「熱意が下がる」「人は忘れる生き物」「他社競合」です。
『エビングハウスの忘却曲線』という心理学の実験結果をもとにしますと、「人は翌日には記憶したことの74%を忘れる」ということです。割合はともかくとして色々忘れます。
翌日には、あなたが一生懸命プレゼンした内容の半分以上を覚えていないかもしれない。場合によっては、あなたの名前や風貌も名刺を見ないと思い出せないということも。
3日間ほどの間に、熱心にグイグイ攻めてくる他社さんと商談していたら、どちらが印象に残りやすいか?ということも考慮しましょう。
「購入意欲が高く」「記憶が新しいうちに」「競合他社の入る余地なく」成約に持っていくために、即決に踏み切ることが有効な場面は多々あります。
営業マンサイド 即決メリット③
もうひとつ。
営業マン個人の『判断力・決断力・決定力の成長』
即決に踏み切る商談は、結果の良し悪し以上に「良質な経験値」をお客様からいただけます。
あなたの10年後の目標は何ですか?
店長職や管理職ですか?それとも起業して経営者。
より質の高い仕事を求められるようになると、必要となるのが少なくとも上記の3つ。
相手や部下・社員の発言を受けて「即時で最適を判断する能力」、機を逃さず実行に移すために「覚悟を決めて決断する能力」、今しかない瞬間にその商談・打ち合わせを「決めきって結果を持ってくる能力」です。
相手に即決を求めるにあたっては、頭をフル回転させて上記の力を振り絞る必要があります。それでも結果ダメということも多々ある。でも、それは非常に価値の高いあなただけの「生きた経験」。
このブログや書籍・スクールなどで理屈理論は学べても、この「生きた経験」だけはお金を払ってもなかなか得られるものではありません。
仕事を通して、自己成長の機会を
お客様からいただけている、と
感謝の気持ちも忘れずに!ですね!
お客様サイド 即決メリット①
ここからは
お客様にメリットがあるのか?です。
ひとつめは営業マンと同様、『時間効率』
すべての商品や業種にあてはまるものではありません。
が、その商品やお客様のニーズが「一定以上の緊急性を要している場合」では、早く決断することによって時間と経費を節約できるメリットとなりえます。
まもなく夏休み!
子供と一緒に海に山に遊びに行こう!
ちょうど車検も7月末で切れるし、大きいSUVに買い替えようかな!
悩んで悩んで毎週あちこち見に行って、
8月28日にようやく購入決定!
…間に合ってないですよね。
車検にも、夏休みにも。
身も蓋もない言い方をすると「クルマ選びの旅で夏休み(時間)と車検代(お金)を使った」という結果。
もともとの購入動機が「遊びに行こう!」なのだから、初期の営業マンがぐいっと決めきっていたら、ちょっとだけ違う未来があったかもしれませんよね。
お客様サイド 即決メリット②
怒られるかもしれませんが。
『金銭面・条件面』のメリットを得られる場合があります。
即決いただけるなら「〇〇円値引きします!」あるあるですよね。
企業側としてみれば、利益を削る行為です。
それでも「即決なら」と決裁を出すなら、それ以上のメリットがあるからGOを出すんです。
営業トークで上手く演出することは往々にしてあるものの、お客様側としてはダイレクトに「支払う金額と得られる条件」が変わりますから、最もわかりやすいメリットとなります。
値引きしたのに決められない…とちょっと寒い雰囲気が漂いますから、お得感がちゃんと伝わりますように。
お客様サイド 即決メリット③
個人的にとても大事なのが、
『後押しと言い訳』お客様の気持ちにかかる部分です。
大きな買い物だから、慎重に検討したい。
本心であり、その通りだと私も思います。
でも「大きな買い物だからこそ、勢い(熱量)が無いと決められない」のも事実です。
「検討」は慎重に。「決断」は大胆に、営業マンが後押しするべきと私は考えます。
当の営業マンが知らないところで、こんな会話を聞いたことはありませんか。
「すごく悩んでたんだけど、熱心な営業マンがぐいぐい押してきて、最後値引きまでしてくれたもんだから根負けしてつい契約しちゃったよ!」
この言葉にはすべてが詰まっていて、間違いなく「喜びの声」ですよね。
『決断』には膨大な心理エネルギーが必要です。責任が伴うし、失敗したら嫌だ。誰しも同じです。
「営業マンのせいにする」というと言葉は悪いですが、【 熱心な人が・ぐいぐい押してきて・値引きしてくれた から「決断した」 】のであって、【 重大な責任を伴う大きな買い物を、自分ひとりで背負って勝手に決めた 】わけではない、という心の逃げ道を用意しておく。
即決って、営業マン本位だと思ってましたけど。
お客様側の「心理的な負担を軽くする」
そんな気持ちって大事だなって感じました!
即決に至る道のりを把握しよう
即決にはメリットがある。じゃあ、と闇雲にギュンギュン攻めたところで成約には至りません。
おおむね、嫌われて終了ですよね。
即決に限らず決断に至るまでに、お客様の心がどう動くのか整理しましょう。
人の購買行動には段階がある
人が何かを買おうとするとき、その心理と行動には段階があります。
「購買心理」と呼称されており、上記AIDMA(アイドマ)は割と以前からいろいろな場面で研究の対象とされてきました。
今でこそスマホで「検索する」機会が圧倒的に増えたため、その変化に対応すべく上記の項目も増えたり変わったりしつつ研究が進められていますが、注目すべき根本は同じです。
その商品を「知った」瞬間から、「購入決定」に至るまでには段階がある、ということ。
上図でいうところの【 A:知った 】【 I:知っていて興味を持ち始めた 】の段階から商談をスタートし、【 D:欲しくなる 】【 M:考える・想像する・検討する 】【 A:買うと決める 】までのステップをすべて、一連の商談のなかで進めるのがいわゆる「即決」ということになります。
段階ごとに何をするのかを知る
各段階でどういう心理状態に持ち込めばいいのか、を認識しましょう。
- A:認知 『その商品を知った』だけの状態
「へぇ、こんな新商品出たんだ」程度の認識です。
おこなうべきは、興味を持ってもらうためのプレゼンや仕掛けづくり。 - I:興味 『その商品に興味が出てきた』段階
「ふうん、カッコいいじゃん。ちょっと検索してみようかな?」くらいです。
おこなうべきは、欲しくなってもらうためのプレゼンや仕掛けづくり。
この2段階くらいのタイミングで、「もう少し詳細を聞いてみようかな」ということで実際の商談に至るケースが多いかと思います。
- D:欲求 『欲しいな』と思っている状態
喜ぶのはまだ早い。「欲しい」と思っているだけであって、「買う」と直結していない。
おこなうべきは、「実際に買うとなったら」を具体的に想像し検討してもらうためのプレゼン。 - M:記憶 『え?今?買っちゃう?どうしよう?』と具体的に考えている段階
決断に至るまであと数歩。ただし、Web検索や他社が入る余地がまだあります。
おこなうべきは、明確な購入意思に変えるために決断を促すクロージング。 - A:行動 『よし!買おう!』にたどりついた段階
おめでとうございます。
ここでおこなうべきは、詰めを誤らない正確な実務作業とフォロー。
一連で見てみると、たしかに…と思えますね!
割と見誤りやすいのが、D:欲求の段階。
相手が「欲しい」と思っているな!と判断できた段階で、一気にクロージングまで持っていこうとして「検討します」と言われてしまうパターン。
「もっとお得な他社商品があるんじゃないか?」「買うにしても諸経費とか置き場所は?」など、解決すべき課題が残っていて『M:具体的な検討段階』に入っていない状態でのクロージングは成功しにくいです。
各段階では、それぞれ注力ポイントが違うと認識することが大事です!
話は聞いてくれてるけど、
たぶん欲しいとは思ってないよね… と感じるのであれば、
「欲しくなってもらう」に集中しましょう!
即決に導く段取り・コツ・事前準備を紹介します
ここからは、即決の確率を上げる具体的な方法を解説していきます。
本記事で紹介する方法は、『商談開始~なんだか話が弾む~いい感じになってきた~よしここだ!』で炸裂させるクロージングトーク集ではありません。
そこまで商談が進んでから最後だけ一気に押し切るのでは、ちょっと遅いし再現性が低い。むしろクロージングトーク集であれば、あなたの会社にはあなたの先達たちが練り上げたトーク集が既にあることでしょう。
「あ、なんか、このお客様即決クローズいけそうだな?」とそう思う商談てありますよね。そんな雰囲気に持ち込む確率を上げるための、場づくりや自分の心構えと事前準備。
それを具体的にご紹介していきます。
私自身もご商談で活用しています。
世の中「絶対」はないですけど、
「高確率」は追求できますからご参考になれば幸いです!
ポイントは3つ!
伏線・心構え・切り返しトークの順で解説します!
即決は段取りが命!伏線を張る
購入できる前提条件は整っているのに、決断のタイミングで迷われてしまう。
「いや…うーん…いいのはわかるんですけど…即決はちょっと…」
お客様側が「決断する」心の準備ができていない状態でクロージングをかけると、こういう反応になると思います。
攻略のポイントは、映画やドラマでおなじみの伏線。
クロージングをかけるときのために、
商談中に「事前に」「複数回にわたって」伏線を張っておくことが大切です。
張っておく伏線も3つ!
期限・決断・未来の姿 がキーワードです!
伏線① 今日がラストチャンス
「今日が最後」とお得感の演出トークとして、すでに活用している方も多いと思います。
が、これはクロージングトークに移る前、商談中のプレゼンや雑談で繰り返し言葉に出しておくからこそ、最後に生きてくるネタ。最後の追い込みのときだけ言っても、効果は薄いです。
伏線のひとつめは、期限。
「今日が最後であり、期限を引き延ばせない」を
お客様に認識してもらいながら話を進めること。
『決算』や『〇〇キャンペーン』など、期限が明確なネタがある場合は積極的に利用しましょう。
なにもなかったとしても、振り絞って考えましょう。これも、だいじな準備作業です。
「今日は実は弊社の役員が来ておりまして」「残りの在庫数が僅かでして」「ほかに〇件のお問い合わせをいただいていまして」など、ご自身の環境に合わせたネタを用意して下さいね。
複数回に渡って繰り返し聞いていると、お客様の心に無意識に刷り込まれていきます。人は「損をしたくない生き物」ですから、この伏線は真剣に検討に入ったときにこそ真価を発揮します。
このキャンペーンは今日が最後なんで!
決めて下さい!
これは、営業マン「の」都合。
うーん 話を聞いてたら欲しくなってきた…
でも今日が最後って言ってたしな…どうしよう悩むぞ…
ってお客様「に」思ってもらうのが大事なんですね!
伏線② 決断は正である
「決断すること」そのものに苦手意識があるお客様は多いですよね。
じっくり検討してから決めたい。お気持ち重々わかります。
でも、商談中にその検討材料が出揃っているのに「検討したい」のは、いわゆる『心の準備』の問題。こちらも同様に、商談の途中から少しずつ不安感を払拭していきましょう。
伏線のふたつめは、心の準備。
「よし、買うか」と言いやすい土台づくりです。
私は会話の節々に、こんなトークを伏線として混ぜています。
- 経営者さんなどは本当に決断が早いんですよ…
時は金なりってことですよね。 - 高額だとどうしても慎重になるお客様は多いはずですけどね…
でも案外皆さん、買うとなったらズバっと行かれてるんですよね。 - お子さんが幼い子供でいる時間って、短くてですね。
そういう時間を少しでも長く充実させたいって先日のお客様が仰ってました。 - いまはまだ検討段階だと思うんですけども。
よし買うか!ってきっかけが必要ですよね。営業マンの後押しも結構大事だな…と。
共通しているのは、『他人の力を借りている』こと。
「ほかの人もみんなそうなんだ」と思ってもらいつつ『決断』に対するハードルを低くする。
結果的に「じゃあ、今日でもいいか」とお客様が心の中で思って下さるように布石を打っておくと、クロージングの際に『突然決断を迫られた感』なく自然に話が進めやすくなります。
へえ、みんなそんなもんなんだな
くらいのタッチでさらっと話すのがポイントですね!
そうです!
いかにも「即決狙ってます!」みたいな雰囲気が出ると
逆に警戒されてしまうので、雑談の一部でさりげなくがいいです!
伏線③ 未来を想像してもらう
商談が進むと、頭のなかが『モノ・カネ・条件』の情報で埋め尽くされていきます。
営業マン・お客様ともに、です。
煮詰まった状況下では「検討します」のほうが優勢ですよね。『そもそもなんのためにその商品を買おうとしているのか?』を鮮明に想像してもらうことで、前向きな気持ちで商談を進めやすくなります。
さいごの伏線は、未来の想像。
買ってそれを使っている明るい未来と
買わず現状維持で悶々とする未来の両方です。
未来の姿を想起させる会話は、最後の決断だけでなく『興味を引く・欲しいと思ってもらう』の段階でも、具体的な検討の土台に乗せる効果として役立ちます。
一例としてこんな状況下では…
ご夫婦と小4・小1のお子さんで4人家族。4人乗りの軽自動車所有。
来月3人目が産まれる予定があり、ミニバン検討中のお客様
購入後のイメージ
- 5人そろってお出かけするなら大きいクルマだと嬉しいですよね!
- チャイルドシートって結構かさばるから…広いと快適ですよね!
- 上のお子さん(野球少年)が遠征試合とか行くようになると、
お友達も乗せてあげられるから便利ですよね! - 受験が近くなるとなにかとお金がかかるので…
余裕があるうちに思い切ったほうがいいですよね!
現状維持のイメージ
- そもそも全員で乗れない…ですよね?
- ベビー用品の買い溜めとか、手狭なクルマのままだと不便じゃないですか?
- 産まれてからでいいと思うかもですが
出産後の慌ただしい時期にクルマ選びとか、余計厳しくないですか…? - 買った翌日に納車はできないので、日程も逆算で検討しないと!
上記の例では、商品自体の良し悪しには触れていません。でも…「早めに買ったほうがよさそうだな?」くらいには思ってしまうでしょう。
未来の姿を具体的・鮮明に想像してもらう伏線を張ることで、購買意欲を上昇させるとともに現状維持の不便さを回避したい気持ちの両方を刺激することができます。
どうせ買うなら…
楽しい気持ちのままで思い切りたいですよね!
本来商談て…そういうものでありたいですね!
お客様の気持ちがノッてくるように小出しにしていくと、
結果的に即決が近づいてきますよ!
即決のための自分の心構え
続いてここからは、営業マン側の心構えを2点ご紹介します。
どういう気持ちで商談するか?は行動と言動に大きく影響します。順に見ていきましょう。
もしかして…即決が「悪いこと」と思っていませんか?
前段のとおりで、即決には営業マン・お客様双方にメリットがあります。
それでも「うまく言語化できない罪悪感のようなもの」が心にあるとするなら。
それは『ぐいぐい踏み込んで決断を迫ったことによって、迷惑と思われ、嫌われるんじゃないか?』という感情ではないかと思うのですが、いかがでしょう。
あ!わたしそれです!
ここで押しきったら嫌われそう!って思っちゃいます!
もちろん、相手の立場や都合を考慮せずに「買ってくれ~買ってくれ~」では「ただの嫌な人」です。
でも、目の前のお客様が抱える課題を解決するために、最善と思える提案をしているんですよね?そして、それをいち早く叶える最良のタイミングが即決であると。
そうであるなら、自信をもって即決が最適であると伝えましょう。
いいじゃないですか。
あなたが考えた「解決のための最善の提案」がNOだったとて。
あなた自身の人間性が否定されるわけじゃありません。
営業マンとしての本懐は『万人に愛される人』ではなく、『お客様の課題を解決する人』であるべきです。
課題解決のために即決が最適であるなら踏み込む。それは、お客様のため。
誤解で嫌がられないよう、発言には充分配慮して。
「お客様の課題に厳しく向き合うこと」と、「あなた自身が嫌われること」はリンクしません。
ぜひ「踏み込んだら嫌われるかも」という正体不明の感情に対して、勇気をもって立ち向かってみて下さい。
即決は「成約」のみを指すものではない
成約で終わるなら、それが一番です。
私の経験上、『〇でも×でもなく、おそらく真剣に検討しないであろう検討』がもっとも自分の力不足を痛感する商談の終え方です。
ダメならダメでいいんです。
ダメである「結果」
をもらうことができれば、
次の行動と提案を考える余地ができます。
「いまは」ダメなのか、「その金額では」ダメなのか。はたまた「その商品は」ダメなのか。
「検討します」が苦手な営業マンは多いと思いますが、そこはちゃんと踏み込むべきです。
即決商談では『OKでもNGでも回答をもらうまでがワンセット』という心構えを持ちましょう。
自社および自社商品では解決できないのに押し続ければ、それは押し売り。引き時です。
また、NOでも回答を引き出せたなら、その理由によっては再提案や再商談につなげられます。
『理由のはっきりしないサイレントNG』この状態で商談を終わらせないこと。これを強く意識して商談に臨むだけで、最終的に成約の確率は上がりますよ!
即決のための準備 切り返しトーク
さいごにご紹介しますのが、切り返しトーク。
保険会社さんなどでは『反論処理』と呼ばれる営業手法です。
お客様からの断り文句の代表格「検討します」これが苦手な方は多いでしょう。
本記事でこれまで解説してきた『伏線』『心構え』は、あくまで「検討します」に行きつかないための事前の策。ここでは、「検討します」に類する断り文句をもらってしまったらどうする?を解説します。
この項目での結論は、
そもそも、【こう言われたらこう返す】という勉強や練習を
ちゃんとやって準備していますか?
です。
やってない…です…
即決できなくて当然ですかね…
切り返しトークの基本
「検討します」以外にも様々な断り文句がありますが、対処の基本方針は同じ。
- にっこり笑顔で同調と理解
- 質問と整理
- 感謝と共感
- 理由と提案
- 確認(テスクロ)
単純に、これの繰り返しです。
そもそも、最初から即決する気で商談に臨むお客様はあまりいないでしょう。
一度や二度くらい、
お断り文句が来るのは当然です。
だからこそ事前準備がだいじなんです!
切り返しトークの実用例
どういう進み方をするのか、みちるちゃんに実践してもらいましょう。
イメージをつかむことができれば、実行できます。あとは練習あるのみ、です。
う~ん… まあ。持ち帰って検討させてもらいますわ。
(あああ まただ…しょぼん)
あ… はい…
ご検討よろしくお願いします…
おいおい!顔に出てるぞ!
やりなおし!!
…最初からつまづいたようなので、もう一度。
でも、実際こういう応対になってしまっていることってありませんか?思い当たる節がある方は、自分に置き換えてイメージしてみて下さいね!
う~ん… まあ。持ち帰って検討させてもらいますわ。
はい!ありがとうございます!
慎重に検討が必要ですものね!
【 1.にっこり笑顔で同調・理解 】
ちなみに…どういった点が
ご検討を必要とされているか
お伺いしてもよろしいですか?
【 2.質問と整理 】
え? ああ…いやほら…
まだ妻にも何も話してないんでそれからかなと
そうですよね!奥様のご同意は絶対必要ですもんね!
立ち入った質問にお答えいただきありがとうございます!
【 3.感謝と共感 】
ハハ、まあ…
勝手に契約してきたなんて言ったら…
考えただけでも恐ろしいですわ
ですよね!そうしますと…
今日の提案をぜひ奥様にもお聞きいただきたいのですが…
【 4.理由と提案 】
ん、そうですね。
ただ今日は妻は仕事に行っているので…
お忙しくされていらっしゃるんですね!
ありがとうございます!
仮に、ですが。
奥様にもご一緒に改めてご提案させていただいて、
OKと言われるなら、お話を進めることが可能とお考えですか?
【 5.確認(テスクロ) 】
んん…そうですね。
ご紹介いただいたクルマは私は気に入りましたし。
ありがとうございます!
では、奥様との日程調整ですが…
(以下、ヒアリングに戻りアポ取り)
一連の流れを見てみて、いかがでしょうか。
上記は、『商談者本人はある程度は気に入っているが』検討しますの中身が『決定権者不在』の一例でした。
なお、ひとくちに『決定権者不在』といっても、本人の購入意欲が非常に高くて『電話してOKなら即決』という場面もあるでしょうし、逆にただの『帰る口実』としてご家族を引き合いに出しただけのこともあります。
結局のところ、
その方の事情は聞かなきゃわかりません。
だからこそ、一度や二度の「検討します」にめげずに
切り返し方を学ぶ必要があるんですね。
切り返しトークを用意しておくべき状況
「検討します」以外のワードで、準備しておくべき断り文句はたくさんあります。
- ほかの会社と比較したい
- 急ぎではない
- 今決めないとダメですか?
- お金がない
- 高い
- 忙しくて時間がとれない
- 必要なときはこちらから連絡します
- あなたの商品・会社が信用できない
- 社長(ほか決定権者)に聞かないと
業種は違えど、即決を求めようとする限りこういった断り文句は必ずどこかで言われます。
これらすべてに対して、
「こう言われたらこう返す」準備をしていますか?
答えがNOであれば、いまからでも準備しましょう!
繰り返しますが、基本の型は同じです。
- にっこり笑顔で同調と理解
- 質問と整理
- 感謝と共感
- 理由と提案
- 確認(テスクロ)
自己流で考え出すことも大切ですが、最短はあなたの先輩方に聞くことかと思います。同じ商品を扱って、おそらくあなたよりもたくさん断られた経験があるはずですので。
「わからないことあったら聞いてよ」先輩から後輩への常套句のような言葉ですが、まさに今がその時です。聞くべきはしっかり聞いて吸収して下さいね!
さいごに
ここまでお読みいただきありがとうございました。今回は、【即決】を主題として、私自身の経験を交えて『コツ・段取り・準備』について解説させていただきました。
まとめますと、
- 知っておくべきは【 営業マン&お客様双方のメリット 購買心理には段階がある 】
- やるべきは【 伏線を張る 自らの心構え 切り返しトークを準備 】
シンプルにまとめると、これだけです。
準備や練習には時間を要しますが、こうやって商談の骨組みを作りながら日々取り組んでいきますと、安定して成果が出せるようになります。「即決ができない」または「できるときとできないときの落差が大きい」お悩みを持つ方にお役に立てましたら幸いです。
多いよ…と思われたかもしれません。しかしそこが『気合』の入れどころです。
1項目ずつ読み返して、丁寧に身につけていきましょう!
いっぱい勉強して練習して…
ズバッと決めにかかりましょう!
ほかにも営業力アップのヒントがたくさん!
こちらから覗いてみてください!
即決で決めるコツを教えて!
即決苦手。1週間後じゃダメなんですか?
実例を!検討します…から先に進めません!